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【重要】所長の仕事って?改めて考えてみた!

time 2023/09/01

【重要】所長の仕事って?改めて考えてみた!

こんにちは!リハライフ2号店所長のよりたです!

リハライフでは「所長会」というものを毎月1回おこなっています。
各店舗の所長、および役員が集合して、各店舗の問題点やこれからの方針について話し合います。

その中で先日、社長から、ある所長にこのような指示がありました。
もっとお店の雰囲気を良くしてください

この社長からの指示、言っている意味は当然分かります。
しかしわたしは「めちゃくちゃ難題だな」と感じました。

なぜなら、
「店舗の雰囲気を良くする」
というごく当たり前な指示は、めちゃくちゃ抽象的な指示であり「どうなればそれが達成できたか」という点でアプローチ方法が無限にある気がしたからです。

当然、組織のトップからの指示は抽象的になります。
そして役職が下がるにつれ、
その指示を所長がいかに自分の中で解釈し、具体的な指示に落とし込んでスタッフに共有していくかが腕の見せ所であり、重要な任務でしょう。

そこで、改めてリハライフでの所長としての仕事を考え直し言語化してみようと思いました。
これから所長になる方や、過去の自分に向けて自戒をこめて記事にしていきます。
それではいきましょう!

※この記事は3分ぐらいでサクッと読めます。

所長の4つの役目

リハライフで所長になると必然的に4つの役目を背負うことになります。
4つの役目とは以下です。

  • 数字を上げる
  • スタッフの安定
  • システムの改善
  • 事故の減少

以上が所長に与えられている課題であり、役目です。これが全てであり、全ての所長はこの命題を元に、日々考え、行動していかないといけません。

社長から与えられているこの4つの役目は、一見して抽象的に思えるでしょう。
当然です。
会社というピラミッド組織においては、上にいけばいくほど、抽象的な指示を与えられることになります。
これら抽象的な課題を「具体」に落とし込んで、それぞれの店舗のスタッフに指示していくことになるのです。
まずは、各店舗の限られたリソース(スタッフ、車両、設備等)でしっかり結果を出していくこと、運営していくことが所長の役目です。

1つずつ深堀りしていきましょう。

所長の役目その1「数字を上げる」

店舗にはそれぞれ「目標数字」が課せられています。
「数字」とは、利用者さまの利用実数ですね。要するに、利用実数を上げて、売り上げを上げるということです。

この「数字を上げる」は、所長として最重要事項といってよいでしょう。
当然です。どの業界だって数字を上げるのは基本中の基本であり、それなくしては会社組織は成り立たないからです。その課題を所長が責任をもって取り組むというのは必然でしょう。

ただし、最重要課題かつ、最も難しい課題とも言えます。「数字を上げる」という抽象的な概念を具体的に落とし込んでいかないと、店舗運営に反映させることはできません。

以前のわたしは、指示が壊滅的にヘタクソでした(今も別に上手くない)。

  • 「数字を意識していきましょう!」
  • 「数字を上げていきましょう!」
  • 「サービスの質を上げていきましょう!」
  • 「丁寧な対応をしていきましょう!」

一見よさそうですよね。ですがこれらの指示は全て抽象的なものになります。
所長から一般的なスタッフに対する指示としてはもっと具体的なものでないといけません。

  • 数字を意識するって具体的に何をすればいいの?
  • サービスの質を上げるって具体的にどうゆうこと?
  • 丁寧な対応しているつもりなんだけど…

こんな風にスタッフに思われても仕方ありません。

 

「数字を上げる」には

数字はどうすれば上がるのか。これを紐解いていく必要があります。絶対的な正解はありませんが、今までの経験から打率の高い方法を選んで実行していく必要があります。
分解して考えていくのです。

まずはどの段階で伸びていないのかを考えます。

  • 新規問い合わせの数はどうか
  • 毎月新規の利用者さまがいるか
  • 体験から利用につなげられているか
  • 既存利用者さんのお休みの数はどうか

数字を上げる」の中にこれらの要素があります。
まずはこのあたりのデータをきちんと数字にして毎月みていくことが必要です。データを出すことでやっと具体的な行動に移すことができます。

新規問い合わせの数が減っているのなら、ケアマネさんにきちんと空き状況を伝えていくのが良いでしょう。

新規の利用者さまや体験さんを利用につなげるには、相談員やリハビリスタッフが協力して、「ぜひ利用したい!、また来たい」と思えるような努力が必要です。新規の利用者さんがいないと、数字を上げることは不可能です。

既存の利用者さんのお休みは、毎日必ずあります。体調不良や病院受診、私用などが主な理由です。お休み自体は仕方のないことですが、休む方には必ず振り替え利用のご案内をしていくのがよいですね。中には振り替え利用できることを知らない利用者さまもいるので、徹底して案内していきたいところです。

数字を上げる本質的な方法とは

私が思う数字を上げる最短で本質的な方法は、利用者さんに対し最高のサービスを行い
最高の口コミを生む」ことです。
既存の利用者さんや家族さんからの、良い口コミを増やすこと。
口コミの力ってめちゃくちゃ強いんですよね。

誰だって、自分が通っているお店の良い所は他人に話したくなるものです。
なので「自分たちがしっかりとしたサービスを行い、利用者さまや家族さんの満足度を高めていることができているか」を常にフィードバックしていく姿勢が超重要です。

所長の役目その2「スタッフの安定」

こちらも重要で大きな課題ですね。
「スタッフの安定」を分解していきましょう。

  • 既存スタッフの成長
  • 新人スタッフの定着
  • 離職率の低下
  • 向上心への刺激
  • モチベーションの把握

ざっとこれらの要素に分けることができます。
正直これでもまだ抽象的でめちゃくちゃ頭を悩ませると思います。毎日長い時間を過ごすスタッフですが、結局は他人です。分かり合える、理解しきることなど不可能でしょう。

個別でミーティングを重ねても、本音で話を引き出せているかどうかもなかなか難しいところです。なので、表情や他のスタッフ同士のなにげない会話から読み取っていくことも必要になります。

長年同じスタッフと仕事していると、どうしても「言わなくても分かるだろう」という気持ちが芽生えてきます。その結果、スタッフとのコミュニケーションが希薄になり、思わぬ事態が発生する可能性もあるでしょう。

スタッフと関わりすぎる(言いすぎる)のも良くないですし、まったく関わらない(言わなすぎる)のもまた良くないと思います
さじ加減が難しいところですが、この難しさとどう向き合っていくかが、所長としての腕の見せ所だと言えます。

具体的な指示ってなに?

一般スタッフに出す指示は、できるだけ「具体的」なほうが良いでしょう。
なぜなら、指示が抽象的すぎると、スタッフそれぞれに解釈の違いが生まれるからです。それが原因で連携のミスが起きたり、関係が悪くなってしまう事もあります。
良くある抽象的な指示は以下です。

  • 丁寧な対応をしていきましょう。
    1対1の場面では、必ず目線を合わせ、原則敬語を使用しましょう。
  • Aさんは転倒リスクが高いので注意していきましょう。
    利用者Aさんは、左片麻痺があり左足を引きずって歩きます。なので、歩行時には左腋窩を支えるようにしましょう。また、立ち上がりや座り動作時は特に支えるようにしてください。
  • コップにお茶を早めに入れていきましょう。
    〇〇時になったら、〇〇さんがお茶を入れに回りましょう。
  • 計画書や評価モニタリングは早めに仕上げるようにお願いします。
    計画書や評価モニタリングは、〇〇日の〇〇時までに〇〇枚を仕上げ、所長まで提出してください。間に合わないことが分かり次第、相談してください。

ほんの一例ですが、このような指示を出してしまってはないでしょうか。もしくは、なんとなくこのような仕組みになっていて、トラブルの原因になっているのではないでしょうか。

スタッフの中には、具体的な指示を嫌う方もいるでしょう。抽象的な指示のほうが理解の自由度が上がり楽に感じる方もいます。

しかし、多くのスタッフには具体的な指示のほうが好まれるし、動きやすいと思います。皆が同じように行う仕事においては、できるだけ具体的な内容の指示を出していきましょう。

所長の役目その3「システムの改善」

3つ目は、仕事の仕組みやシステムの改善です。これは基本、所長にしかできません。むしろ、所長しかやってはいけません


リハライフは創業から10年を迎えました。現在は市内に5店舗を構え、それぞれ独立したシステムを持って運営されています。

しかし、中には10年前からのシステムをそのまま採用している店舗もあると思います。

  • どうすればもっと効率的にその作業が行えるのか
  • 業務の負担の偏りをなくすにはどうすればよいか
  • 雑務を業務時間内で済ますためにどうすればよいか

挙げればキリがないですが、所長は常にこのような視点を持つべきです。現在、当たり前のように行っているその作業はそもそもやる必要があるのか?
かの有名なスティーブジョブズはこのような言葉を残しています。


最も重要な決定とは、何をするかではなく、何をしないかを決めることだ

今まで当たり前のように行ってきた作業や業務を、常に疑ってかかることで、必要・不要に分けることができます。

日々の業務に追われてそれどころじゃない時もあるでしょう。なかなか現在行っている仕事を俯瞰して見るということは難しいことです。


事故やミスが起こった時などは、システムを見極めるチャンスです。いやむしろ、ミスや事故はシステムの不具合によって引き起こされたと考えるべきでしょう。

「次からは注意していきます」
「しっかりと意識していきます」

このような言葉で片付けがちですが、これではだめです。たぶんですが、またミスは起こるでしょう。
ミスや事故を人のせいにするのではなく、システムの不具合と捉えて、そもそもミスが起こり得ない仕組みを作りあげることが重要です。

誰に何をやらせるか?
誰に何をやらせないか?
全てのスタッフが本当の意味で平等な仕事量」は不可能です。

難しいところですが、日々取り組む必要がありますね。

所長の役目その4「事故の減少」

ここでいう事故は2種類あります。
転倒事故」と「車両事故」です。
どちらもあってはならないことですが、これだけの規模感になるとどちらも0にすることはほぼ不可能と言えるでしょう。
しかし、システムの改善によって「減少」「予防」させることはできると思います。

「転倒事故はなぜ起こるのか」

われわれリハビリ職にとって、利用者さんや患者さんの転倒というものは超重大な事案扱いになります。

転倒が起こる原因や考察については、こちらの記事でも解説しているので、ここではどのように減らしていくかに焦点を当てます。

転倒が多く起こるシチュエーションTOP3は以下です。

  • 立ち上がり・座り動作の最中
  • 歩行中の方向転換
  • 歩行中につま先がひっかかる

だいたいこのような場面に大別できます。

そのため、全利用者さまに対し、上記のシチュエーションに常に介助を付けることによって転倒はほぼ防ぐことができると思いますが、現実問題、そんなことは不可能です。

なので、そもそも転倒リスクが高い利用者さまをリハビリ職がリストアップし、それを店舗スタッフで共有しておく必要があります。

転倒リスクが高い利用者さまを見るべきポイントは以下です。

  • 立ち上がりに時間がかかる(下肢筋力の低下等が原因)
  • バランス系に問題がある(小脳、パーキンソン系の既往がある)
  • 家で何度も転倒している(転倒歴の有無)
  • 円背が強い(背中が丸まっている)

このようにチェックしていきます。
これら以外にも、色々な変数が掛け合わさり、タイミングもあいまって転倒は起こりますが、まずは転倒リスクが高いであろう利用者さまをピックアップします。

そして全スタッフと共有し「移動中は必ず付き添い、席に座るまで介助する」や「席を立つときは呼び鈴を押してもらう」といった具体的な指示に落とし込んでいくことが重要となります。

車両事故をどう防ぐか

各店舗には何台も送迎車があります。多い店舗では10台以上もの車両をかかえている店舗も。
それらの車が、毎日何往復も稼働しているため、どうしても事故の確率が上がります。

現状、残念ながら会社全体では月に1回以上、脱輪や物損などの事故が起こっています。

事故が起きた場合、できるだけ原因を深堀りする必要があるでしょう。
運転技術の問題もそうですし、利用者さまの自宅周囲を事前に確認できていたか、など
の聞き取りが必要になります。

事故を頻繁に起こすスタッフがいた場合、一度所長が送迎車両に同乗し、どのような運転をしているか確認するのもよいでしょう。
その過程を経た上で、所長の判断のもと「送迎業務をしない」という判断を下すことも必要かもしれません。

できれば車両事故もゼロにしたいですよね。
あいまいではなく、個々に応じた具体的なアドバイスができるよう心がけていきたいところです。

「店舗の雰囲気を良くする」にどう向き合うか

冒頭の話に戻ります。
店舗の雰囲気を良くするにはどうすればよいでしょうか。
雰囲気が良いお店って、どんなのでしょう。

  • スタッフが元気で明るい
  • つねに笑顔で対応している
  • 利用者さんの人数が多く活気がある
  • 店舗が開放的で明るい
  • 店舗がきれいで整理整頓されている
  • 良い感じの音楽が流れている

雰囲気が良いと聞いて思い浮かべるのはこのような状態ではないでしょうか。
自分がどこかお店に入って「あ、このお店雰囲気イイな」と思った理由を言語化すると、こんな感じです。

やはり「」の影響が大きそうです。
「人=スタッフ」が元気じゃないと、雰囲気がイイって思わないでしょう。

ここで、どのスタッフに対してでも「元気に明るくいきましょう!」って指示を出してしまいがちだと思います。ちなみにわたしはコレずっと言っていました。

これでも全然言っている意味は伝わると思いますが、それが果たしてできているのかできていないかの判断って難しいですよね。

まずは、スタッフ全員の共通ルールとして「元気に明るくいきましょう」と伝え、様子を見ます。
そして、自分の中の「元気に明るく」ができていないと思うスタッフに、個別具体で話をしていくのがよいでしょう。

おそらく、下記の点で違和感があるハズ

  • 相手の目を見て大きな声であいさつする
  • 利用者さんの前でネガティブな話をする
  • 常に下を向いて歩いている
  • 声が小さく聞き取りにくい
  • 笑顔が少ない

などなどですね。
これらの違和感を、具体的に伝えることで改善してもらいましょう。

ただし、人を変えるということはすごく難しいです。時間もかかります。
どのような指示で、どういう伝え方をすれば改善されるのか、日々の試行錯誤が必要です。

所長は応援シロを残しておくといいかも

「所長ならなんでもできて当たり前」
「なんでも知ってるし完璧な仕事ができる」

所長としてこんな風になれたらすごいですよね。
わたしもそうなりたいとずっと思っていました。

ただし、あまりにも完璧で隙がない状態だと、スタッフから近寄りがたいと思われたり、助けてあげようという気持ちがなくなってしまうかもしれません
応援シロ=余白が大事なのではないかと最近思うようになりました。

完璧ならそれでいいのかもしれませんが、ちょっと長続きしなさそうじゃないですか。
自分が応援したくなる人って、どんな人ですかね。

  • どんな時でもポジティブな人
  • 仕事に一生懸命な人
  • 元気で明るく、たまにちょっと抜けている人

こんな人のほうが応援されるような気がしませんか。

所長なのに他人に頼るの前提ってどうなの?
って意見が出そうですが、間違いなく他人に頼るべきだと思います。

面倒な仕事や雑務をなんでもかんでも他人に振るのはもちろんだめです。
ですが戦略的に、スタッフそれぞれの適正に合わせて頼っていくことで、所長自身も楽になるし、なにより本当の意味での効率化が図れるのではないでしょうか。


まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は、リハライフにおける所長の役割りを中心に、日々の仕事をどんな風に考え実行していくかを経験ベースで書いていきました。

人は感情で意思決定します。

自分もそうですし、まわりのスタッフたちもそうです。

スタッフは、自分が評価されているか不明瞭なときに不満がでやすい・なりやすい傾向があるので、タイミングをみながら、たまに話してみるのがよいのではないでしょうか。

このリーダーと働いていると自分にとって価値があると思われていることこそが大事です。

わたし自身まだまだですが、そうなれるように日々努力しています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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